暫存

松任谷由実( Matsutoya Yumi ) 暫存歌詞
1.夕闇をひとり

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

あのひとのうわさが聞ける街なら
私は流れてゆくわ
冷えそうな心となぐさめのカセットと
淡い口紅ひとつもって

あのひとを愛してくれる女なら
私はたずねてゆくわ
さくらんぼの包みとできるだけ笑顔と
最後の連絡先もって

そしてもう一度 もう一度
私の声にふりむいて
しばらくは夕闇をひとり歩いてるから

あのひとが残していった全てを
私はしまっておくわ
どんなに離れても いつか恋をしても
ときどき抱きしめて泣くでしょう

そしてもう一度 もう一度
私の声にふりむいて
しばらくは夕闇をひとり歩いてるから
そしてもう一度 もう一度
私の声にふりむいて
これからは夕闇をひとり歩いてるから


2.晩夏 (ひとりの季節)

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

ゆく夏に 名残る暑さは
夕焼けを吸って燃え立つ葉鶏頭
秋風の心細さは コスモス

何もかも捨てたい恋があったのに
不安な夢があったのに
いつかしら 時のどこかへ置き去り

空色は水色に 茜は紅に
やがて来る淋しい季節が恋人なの

丘の上 銀河の降りるグラウンドに
子どもの声は犬の名をくりかえし
ふもとの町へ帰る

藍色は群青に 薄暮は紫に
ふるさとは深いしじまに輝きだす
輝きだす


3.あなたに届くように

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

もう そちらでは夏のようですか
また いつか訪ねてもいいですか

わけもなくとび出した
行く先のないチケットを抱いて
あてもなく降り立った
あの日のことは覚えています

ずぶ濡れの私を
あなたはどう思ったでしょうね

もう そちらでは夏のようですか
また いつか訪ねてもいいですか
何もいわずに 何もきかずに
うけとめてくれて ありがとう

お元気ですか かわりなく
庭のサクラは終わったけれど
立ち止まり ふりかえる
いつしかくせがついてしまった

さよならはとうとう
ふたりともいえなかったね

あのとき私が置き忘れた
苦い思いではまだありますか
できることなら とりに行きたいと
思う今日このごろです

もう そちらでは夏のようですか
また いつか訪ねてもいいですか
あなたの顔も 忘れかけても
無性に会いたくなるんです


4.Woman

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

You are the woman
遠い遠い眼差しはなぜ woman
哀しい哀しいときめきは なぜ woman
You are the woman 風のような

You are the woman
広い広い世界にひとり woman
長い長い旅をしてるの woman
You are the woman, just a woman

ちぎられたハートの跡は塞がらないの
ひきさかれた運命だから彼に会いたい

You are the woman
白い白い砂丘を描く woman
深い深い記憶を潜る woman
You are the woman 海のような

You are the woman
愛は愛は決して消えない woman
時は時は決して消えない woman
You are the woman, to be a woman

刻まれたハートの傷は何を想うの
いつか置き去りにした愛を呼び続けるの

寄せてはかえす 波のように
ゆれる心は
woman, woman, woman

ちぎられたハートの跡は塞がらないの
ひきさかれた運命だから彼に会いたい

刻まれたハートの傷は何を想うの
いつか置き去りにした愛を呼び続けるの

ちぎられたハートの跡は塞がらないの
ひきさかれた運命だから彼に会いたい

刻まれたハートの傷は何を想うの
いつか置き去りにした愛を呼び続けるの

ちぎられたハートの跡は塞がらないの


5.人魚姫の夢

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

沈んでゆく 夜の海に溶けてゆくように
消えかかる 月の明かり かすかな記憶
襲い来る 痛みだけが 生きているということ

叶えられぬ 想いたちは 泡になってく
どんなものも ひきかえには できなかったから
今はただ 闇の奥で 眠ってしまいたいの

いつか あなたはやって来る 深い涙の底へ
私を目醒めさせるために
やがて 薔薇色の朝になり あなたはささやくのよ
哀しい夢だったと

時は過ぎる 眠ったまま 気づかぬうちに
そばにいても 他人の夢には入り込めない
声を失くす 人魚姫が 残した恋の唄は

なんて 淋しさは果てしなく 私をひとりにする
あなたを待ち続けるために
明日 やさしいうでの中で 私は泣いてるのよ
哀しい夢だったと

おしえて おしえて あとどれくらいか
私が目醒めるときまで

いつか あなたはやって来る 深い涙の底へ
私を目醒めさせるために
やがて 薔薇色の朝になり あなたはささやくのよ
哀しい夢だったと

なんて 淋しさは果てしなく 私をひとりにする
あなたを待ち続けるために
明日 やさしいうでの中で 私は泣いてるのよ
哀しい夢だったと


6.星のルージュリアン

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

何が彼女を変えさせた
あでやかなルージュ
恋をうばったあの女も
今ならゆるせる

のぞきこむコンパクトは 銀色の小宇宙
ひとはけの紅から 夕陽がはじまる
きのう泣いてた素顔の女は幻
きみは神秘 星のルージュリアン

運命だって味方なの
魅力さえ信じれば

神無月 宵の風 プラタナスが光るよ
靴音は通り過ぎて 誰かが見とれる
きのう泣いてた素顔の女は幻
きみは神秘 星のルージュリアン
きのう泣いてた素顔の女は幻
きみは神秘 Changin' Changin' Changin'

男たちはゆきずりと 噂するけど
こわいからさ きみが自由すぎて
You're Rouge-rain 哀しみにもう縛られない
You're Rouge-rain 遠い慧星になれ


7.楓

作詞:草野正宗
作曲:草野正宗

忘れはしないよ 時が流れても
いたずらなやりとりや
心のトゲさえも 君が笑えばもう
小さく丸くなっていたこと

かわるがわるのぞいた穴から
何を見てたかなぁ?
一人きりじゃ叶えられない
夢もあったけれど

さよなら 君の声を 抱いて歩いていく
ああ 僕のままで どこまで届くだろう

探していたのさ 君と会う日まで
今じゃ懐かしい言葉
ガラスの向こうには 水玉の雲が
散らかっていた あの日まで

風が吹いて飛ばされそうな
軽いタマシイで
他人と同じような幸せを
信じていたのに

これから 傷ついたり 誰か 傷つけても
ああ 僕のままで どこまで届くだろう

瞬きするほど長い季節が来て
呼び合う名前がこだまし始める
聴こえる?


8.風のスケッチ

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

丘にすわってスケッチした春
水絵の具が溶けるように 家並み霞んでいた
じっとしていて あなたの横顔 指で囲んだ

丘にのぼると迷いさえ晴れて
まだ会わない素敵なこと 想い描けるから
ほんのひと足 早い風の色を あなたにあげる

いつも思い出が手を振っていてくれる
次のバスに乗ってあなたが旅立つまで
じっとしていて 遠く見てるまま 指で囲んだ風のスケッチ


9.cappuccino

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Eric Clapton・Hiroshi Fujiwara

誰を待つの スプーンまわし
ゆれる影に瞳をあげて
夢中だった頃の私がまだいるみたい
片想いとひとめぼれが モカと白のすじを描いて
くちづけする ひとりの日々よ
Now, I have little time to kill

誰も好きになれない心 傍若無人 使い果たし
もうしばらくここにいるわ
So, I have tome to kill


10.消灯飛行

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

見知らぬ国の ビザを持ち
夜に消えてゆこう
見送りはここまででいい
風が強いから
ガラスのむこう あのひとは
くちびる動かし
パントマイムで 離れてく
人に流されて

忘れ得ぬこと 忘れるために
努力はいるのね
二度と結べない糸なら
たぐりはしないわ

海岸線をふちどって
都会は輝く
あのひと乗せたTAXIは
今どこを走る
もうしばらくは 追いかけさせて
この胸の中で

夜の雲を見下ろすまで
ライトがつくまで
テイル・ランプをあのひとが
星と思うまで


11.遠い旅路

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

果てしなく 自分が終りそうよ
遠い砂丘を旅しているみたい
私など 忘れているならどうか
はやくめざめさせて

血を吐くくらい
血を吐くくらい 名前を呼びたいの
心がきしむ
心がきしんで 朽ちた舟のようなの

暁の川辺り 石をけって
浮かぶ波紋を見つめて ただひとり
過ぎた日にかわしたあのまなざし
今も心縛る

血を吐くくらい
血を吐くくらい 名前を呼びたいの
心がきしむ
心がきしんで 朽ちた舟のようなの
心がきしむ
心がきしんで 朽ちた舟のようなの


12.とまどうペリカン

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

夜のどこかに隠された
あなたの瞳がささやく
どうか今夜のゆく先を
教えておくれとささやく
私も今さみしい時だから
教えるのはすぐ出来る

夜を二人でゆくのなら
あなたが邪魔者を消して
あとを私がついてゆく
あなたの足あとを消して
風の音に届かぬ夢をのせ
夜の中へまぎれ込む

※あなたライオン たて髪ゆらし
ほえるライオン おなかをすかせ
あなたライオン 闇におびえて
私はとまどうペリカン※

あなたひとりで走るなら
私が遠くはぐれたら
立ち止まらずに振り向いて
危険は前にもあるから
どこからでもあなたは見えるから
爪を休め眠る時も

(※くり返し)

あなたライオン 金色の服
その日暮らし 風に追われて
あなたライオン 私はあなたを
愛してとまどうペリカン


13.コインの裏側

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

遠くの灯りと 並んで走る
さよならを決めた ひとりのハイウェイ

Good days, but bad days コインの裏側
You said, so I said どちらでも同じ

雪が降りそうな 銅色の空よ
消え残す熱を 伝えておくれ

Love songs, but sad songs 口ずさみながら
They sing, and I sang 忘れようとした

まだ愛してる まだ愛してるよ
まだわからない わからずにいるよ
なぜ私たち離れなくては いけないのかを

あなたは私に 来てくれといった
私はあなたに 待ってるといった

Good days, but bad days コインの裏側
He said, but she said 同じじゃないのね

ただ問いかける ただ問いかけるよ
ただおそれてた おそれてたときが
今こうしてる この果てしない 時のことかと

舞いだした白い羽根 受けとめて
ワイパーを 動かさず

まだ 愛して…

まだ愛してる まだ愛してるよ
まだわからない わからずにいるよ
なぜ私たち離れなくては いけないのかを

ただ問いかけるよ
ただおそれてた おそれてたときが

まだ愛してる まだ愛してるよ
まだわからない わからずにいるよ


14.太陽と黒いバラ

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

来る日も来る日も あなたを想って泣いた
しょうもない男(ひと)なのに
どのみちそのうち かならず私だけが
救えると信じてた

今じゃ別人のように
まともにくらしてるってね
うなされてたってくらいの情熱はなくしたの

砂に煙る太陽 目を閉じても消えない夢
愛しきれず別れた あの激しいあなたはどこよ

昼にも夜にも あなたを待ち続けた
哀しみの広い部屋で
やさしいだけでも うかれて身をまかせた
ゆきずりもあったけれど

ベ・サ・メ・ムーチョもう一度
その胸に抱かれて
ただ本当の涙をひとすじ流すのよ

棘に咲いた黒バラ 傷ついても芳わしい影
忘れきれずさまよう この愚かな私はどこへ

砂に煙る太陽 目を閉じても消えない夢
愛しきれず別れた あの激しいあなたはどこよ

棘に咲いた黒バラ 傷ついても芳わしい影
忘れきれずさまよう この愚かな私はどこへ


15.今だから

松任谷由実・財津和夫・小田和正
作詞:松任谷由実・小田和正・財津和夫
作曲:松任谷由実・小田和正・財津和夫

今だから わかる
あの夏の海の眩しさ
せつないくらい 灼きついたのは
あなたの横で 見ていたせい

今だから 見える
あの愛の 後ろ姿
気づかい合って 語りつくして
抱き寄せても 空しくて

※投げつけた淋しさを 受けとめられずに
そのまま そこから 離れていったね
でも私 あの時の二人のことが好き
涙も季節も二人を包んだすべてがたまらなく好き※

今 許す すべて
限りある愛の行方
輝いたから 戻れないから
それぞれの明日へ 向かおう

(※くり返し×2)


16.黄色いロールスロイス

松任谷由実&加藤和彦
作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

黄色いロールスロイスで
ふられたばかりのシーンを次へと飛ばそう
Tシャツのタキシードで
5つ星の店も ジョークにしちゃいなよ

Go for the next!
終りは次の始まり
昔から言われてるじゃありませんか

払えないツケは No way
かならず消える Go away
ならばいっそこの上
楽しく行こう My own way

黄色いロールスロイスは
もうすぐ出逢える新しい誰かを待ってる
広いバックシートに
染みついてゆくよ めくるめくオムニバス

Go for the next!
コッケイとカッコイイとは
ひと文字の違いだけじゃありませんか

やり直すなんて No way
反省しても Go away
だからいっそこの上
思いきってよ MY own way

払えないツケは No way
かならず消える Go away
ならばいっそこの上
楽しく行こう My own way


17.経る時

作詞:YUMI MATSUTOYA
作曲:YUMI MATSUTOYA

窓際では老夫婦が
ふくらみだした蕾をながめてる
薄日の射す枯木立が
桜並木であるのを誰もが忘れていても
何も云わず やがて花は咲き誇り
かなわぬ想いを散らし 季節はゆく

二度と来ない人のことを
ずっと待ってる気がするティールーム
水路に散る桜を見に
さびれたこのホテルまで

真夏の影 深緑に
ペンキの剥げたボートを浸し
秋の夕日細く長く
カラスの群れはぼんやり
スモッグの中に溶ける

どこから来て どこへ行くの
あんなに強く愛した気持も憎んだことも
今は昔
四月ごとに同じ席は
うす紅の砂時計の底になる
空から降る時が見える
さびれたこのホテルから